中国商業情報社によると、ディスプレイ駆動チップは、抵抗、レギュレータ、比較器、パワートランジスタなどの部品を集積し、ディスプレイパネルの発光線形性、パワー、電磁性などの重要な要素を制御する、ディスプレイパネルの主要な制御要素の1つです。ディスプレイドライブチップはディスプレイパネル産業チェーンの重要な一環であり、産業チェーン全体の持続的な発展から利益を得て、ディスプレイドライブチップ市場は近年かなりの成長率を示しています。

一 .ディスプレイドライバチップ業界の現状

1.ディスプレイドライブチップの市場規模

iot、5G通信、人工知能、ビッグデータなどの新技術の絶え間ない成熟に伴い、消費者電子機器、産業制御、自動車電子機器、医療電子機器、スマート製造など集積回路の主要下流製造業の産業アップグレードのプロセスが加速し、中国ディスプレッドドライブチップ市場は急速に成長しています。2017年の118.3億元から2021年には452.9億元に増加しています。2022年下期は携帯電話などの消費者向けディスプレイドライバ用チップの需要が低迷し、市場規模が約368億2000万元に落ち込みました。今後はOLED分野や車載向けアプリケーションの需要増に伴い、市場規模は403.9億元まで順調に回復すると予測しています。

出典:CINNO、中国商産業研究院

2.ディスプレイドライブチップ出荷量

Mini/ micro-ledディスプレイアプリケーションは、AR/VRなどの新たなアプリケーションの成長に伴い、急速に定着しています。Mini/ micro-ledは、OLEDの優れた点を継承し、小型、低消費電力、彩度の高さ、反応速度に優れていると同時に、OLEDよりも長寿命であり、AR/VRのマイクロディスプレイに対する技術要件をほぼ満たすことができ、次世代の主流となることが期待されています。データによると、中国では2021年に46億6000万個のディスプレイ駆動用チップが出荷され、2023年には50億9000万個のディスプレイ駆動用チップが出荷される見込みです。

3.ディスプレイドライバチップのセグメント別出荷量

ディスプレイ駆動チップ市場をセグメント別に見ると、統合型チップと分離型チップに分けられます。統合型ディスプレイドライバは、市場の拡大と統合型AMOLEDディスプレイドライバの比率の上昇により、分離型ディスプレイドライバは、TFT-LCDの車載ディスプレイ、ノート・パソコン、4K、8Kの超高画質テレビの浸透率の上昇により、それぞれ成長しました。データによると、2021年に中国ではTFT-LCDディスプレイドライバチップが37.5億個、TDDIが6.7億個、AMOLEDディスプレイドライバチップが2.3億個出荷されました。TFT-LCDのディスプレイ駆動は2023年にさらに発展し、39億7000万個の出荷が見込まれています。

4.ディスプレイ駆動チップの下流用途

ディスプレイチップのエンド用途としては、主にスマートウェアラブル、携帯電話、制御ディスプレイ、タブレット、ITディスプレイ、テレビ、ディスプレイなどが挙げられます。このうち、スマートウェアラブル、スマートフォン、タブレットなどのセグメントは、スマートモバイル端末市場と総称されます。2023年にはテレビおよびディスプレイ応用分野でディスプレイ駆動用チップが25億3000万個出荷される見込みです。次いでITディスプレイ分野で、22億1000万個を出荷するとしています。

二 .ディスプレイドライバチップメーカーの状況

1.世界市場の競争構図

現在、世界のディスプレイドライバチップ市場の集中度は高く、台湾、韓国メーカーが大部分のシェアを占めており、中国本土のディスプレイドライバチップメーカー全体のシェアは低いという。CINNOのデータによると、2021年の中国大陸部におけるディスプレイ駆動メーカーの出荷量が最も多い集創北方の割合は約4.0%です。

2.国内市場の競争構図

2021年の中国のディスプレッドドライブチップ設計メーカー市場の競争構図は、集創北方が25.7%を占め、格科微が20.3%、奕斯偉が18%となっています。現在、中国のディスプレイ駆動チップの本土化率は低いが、世界のディスプレイパネル生産能力の逐次的な中国移転及び京東方を代表とするヘッドパネルメーカーのサプライチェーン本土化需要の増大に伴い、ディスプレイチップ業界の本土化代替の余地が広がる。中国のディスプレイドライバ用チップメーカーのシェアが急拡大する見込みです。

3.国内トップ企業の業務状況

出典:中商産業研究院

三 .ディスプレイ駆動チップの将来性

1.国の政策が集積回路産業の発展を支援

集積回路は国民経済と社会の発展に関系する基礎的、先導的、戦略的産業であり、特に米中貿易摩擦が続いていることを背景に、国家の強力な支持を得ています。近年、国は財政、税金、技術、人材など多方面から一連の政策法規を打ち出し、集積回路業界の持続的な発展を効果的に推進し、中国の集積回路業界の持続的な競争力を高めています。

2.業界の技術革新が応用分野の拡大を推進

パネルディスプレイドライブチップの分野では、技術革新に伴い、消費者や出店者の多様化、箇性化ニーズが急増しています。例えば、スマートフォンのディスプレイにおいて、消費者が求める画質や画面形状、面積は微細化・多様化しており、セットメーカーもフレームレス表示、画面下指紋、曲面ディスプレイなどで技術革新を進めています。消費者のニーズに合わせます。

LEDディスプレイ駆動チップの分野では、下流のLEDディスプレイのドットピッチが縮小するにつれて、LEDディスプレイの応用分野が拡大しています。スモールピッチLEDは屋外から屋内へとLEDディスプレイを変化させ、Mini LEDは家庭でのLEDディスプレイの応用シーンに変化をもたらすと期待されています。マイクロLEDは、スマートフォンやスマートウォッチ、AR/VRなどの近距離アプリケーションに焦点を当てています。LEDディスプレイの応用分野は絶えず拡大して、会社のLED表示駆働チップの発展のために広大な市場空間を持ってきます。

3.集積回路産業チェーン全体がますます成熟し、業界の発展を促進

世界の集積回路開発の中心は徐々に中国に移り、2021年には中国の集積回路産業規模は1兆458億元となり、世界市場の30%以上を占めます。海外の優秀なチップ設計研究開発者が続々と中国企業に参加し、中国企業の研究開発力を高めています。先進技術、優秀な人材の導入は、グローバル集積回路産業の中心移転の過程で、中国チップ設計企業の急速な発展を強力にサポートしており、生産規模を拡大しているパネル工場も中国チップ設計企業に広い市場基礎を提供しています。

詳しくは中国商産業研究院の「中国ディスプレイドライブチップ市場の展望と投資機会に関する研究報告」をご参照ください。同時に中商産業研究院は、産業ビッグデータ、産業情報、業界研究報告、業界白書、商業計画書、フィージビリティー研究報告、園区産業計画、産業チェーン誘致マップ、産業誘致ガイドライン、産業チェーン誘致調査&促進会などのサービスを提供します。